転職面接における希望年収の伝え方
◆面接官:「希望年収はいくらですか?」
私が面接時に必ずきく質問です。
 
応募者からはこんな答えが返ってきます。
◆応募者①:「希望年収は〇〇〇万円です。」
◆応募者②:「御社規定に従います」
 
応募者②には再度ききます。
◆面接官:「最終的には弊社規定により処遇したしますが、〇〇さんの希望額を教えていただけますか?」
◆応募者②:「しいて挙げれば、現職が〇〇〇万円なので、同じくらいいただければ幸いです。」
 
そんな感じで年収の探り合いが始まります。内定を出した後で、年収が原因で辞退されるのはお互いに時間の無駄になるため、1次面接の時点で確認することにしています。

希望年収の根拠をどうするか

応募者①を例に話を進めます。
 
◆応募者①:「希望年収は〇〇〇万円です。」
と答えていただいたら、次にする質問があります。
 
◆面接官:「その年収を希望される根拠は何ですか?」
 
さて、あなたならどう答えますか?
 
一般的に以下のような答えが返ってきます。
◆応募者①-1:「現在そのくらいもらっているので、維持したいと思います」
◆応募者①-2:「子供の学費がかかりますし生活するためにはそれくらいが必要です」
◆応募者①-3:「じつは他社様から内定をもらっていまして、その年収です。」
 
それぞれの発言の意図は次にようになります。
◆応募者①-1:転職しても生活レベルを下げるつもりはない
◆応募者①-2:家計を守りたい
◆応募者①-3:適正な市場価値を要求したい
 
すべて言いたいことは理解できますが、ミドル以上の場合、せめて客観的水準である3で伝えていただきたいと思います。転職先の企業にとっては、家計も、現職の年収も関係ありません。
 
それ以上に私が知りたい根拠は、「入社した場合の業績貢献」です。実際にそれを仮説で話してくれる応募者に出会ったことはありませんが、もし、そういう方がいれば、かなりの確立で採用すると思います。

業績貢献の仮説に基づいた希望年収

さて、ここからが今日お伝えしたいことです。
「入社した場合の業績への貢献」をどのように計算するかといえば、PLの考え方を使います。
 
例えば、年収800万円を希望する場合
●企業が負担する人件費は年収の約1.5倍(+社会保険、福利厚生、退職金など)なので、直接コストは1,200万円になります
●仮に労働分配率が50%だとすると、1,200万円/50%=約2,400万円。粗利益で2,400万円分の貢献が必要ということです
●仮に粗利益率が60%だとすると、2,400万円/60%=4,000万円。売上だと4,000万円分の貢献が必要だということです
 
そのうえで自分を採用すると、なぜ、その粗利益が稼げるのか。または、その売上が稼げるのかを説明する必要があります。営業職と人事職の例を示します。

営業職の例

私は年収800万円を希望します。なぜなら、売上3,400万円以上は貢献できると考えるからです。御社のITサービスは年間契約で120万円ですので、単純計算で28社と新規契約すればよいことになります。ただし8割以上が契約更新するとすれば、新規は年間6社程度で十分かと思います。私は現職でもITサービスを販売しており、年間20社以上の新規契約を獲得しています。そのため、年収800万円を大きく上回る貢献が可能です。

人事職の例

私は年収800万円を希望します。なぜなら、粗利益で1,700万円分の貢献ができるからです。理由は3点です。

①リファラル採用やSNS採用により採用単価10万円以内で優秀なミドル人材を採用できます。仮に一年間に人材エージェント経由で10名中途採用していた場合、それだけで粗利益で1,700万円分の価値があります。

②人材定着率が高まります。前職では新卒の3年以内の離職率を50%から10%に下げました。教育研修やOJTの莫大な投資が無駄にならないことと、何より戦力化してくれるので業績貢献してくれます。人材定着率アップのメリットは非常に大きいです。

③マネジメント層を育成して組織全体を活性化します。縦横の関係性が改善されて組織のパフォーマンスが劇的にあがります。以上3点により粗利益でざっと1億円の価値はあると思います。

さいごに

さて、いかがでしょうか?
ここまで根拠を示されたら納得感がありますよね。
 
特に、経験豊富なミドル・シニア人材には使ってほしいテクニックです。
新型コロナの影響で採用市場が縮小していくと思われますが、このテクニックを使えば少ないチャンスを手に入れられるはずです!