人生100年時代、複業はキャリア開発の最高の手段

私事ですが、2020年1月に会社を設立して、会社員との複業を行っています。
フクギョウのフクは「サブという意味の副」ではなくて「ダブルという意味の複」です。 どちらもメインの仕事という意味です。

私の周囲には複数の仕事をしている方がけっこういます。複数企業の社外取締役を務めている方や、会社員のほかにNPO法人の理事をされている方等です。そういう方々に共通していることはプロフェッショナルであるということ。自ら考え自ら行動し成果を出せる自律型人材です。

さて、私はこれからの時代は複業が当たり前になると予想しています。なぜなら人生100年時代を考えたときに、複業がキャリア開発の最高の手段だからです。

その背景を説明します。

複業がキャリア開発に効果的な理由

大手企業の多くは50歳前後から報酬は右肩下がりです。現在の65歳から定年を伸ばすといっても、長く働けばいいわけではありません。そこには「やりがい」と「それなりの報酬」が必要なのではないでしょうか。また、早期退職して再就職すればいいのではと思われるかもしれませんが、1社のみで仕事してきた方の中には社外の常識を知らないケースが多く、また、社内価値の向上に目を向けていた方が市場価値で査定された場合、想像以上に価値が低いことが大半です。

そこで提案したいのが複業です。少なくとも2社以上を経験することになりますので、そこに比較が生まれて客観的に自分のキャリアや市場価値を捉えることができるようになります。また能力開発の原則は「使わないと能力は育たない」ですから、様々な仕事を通じて経験を積むことが非常に効果的です。

終身雇用から人材流動化へ

企業から見た場合はどうでしょうか?

昨年トヨタ自動車が終身雇用は難しいという見解を示しており、日本企業の雇用前提であった終身雇用は終わりました。昨年リストラを行った企業の6割以上が黒字企業です。その理由は事業環境の変化により必要なスキルが変わったからです。かつて活躍した人材でも今後活躍が難しい場合には早期退職を促し、AIやデータアナリティクス等の今後活躍が見込める人材を新卒で1,000万円以上出して雇用する時代です。事業環境の変化のスピードがますます速くなっていくことを考えると、あっという間に、正社員という雇用形態は、実質は契約社員になっていくと思います。

まとめ

今回述べてきたことをまとまると、こちらの図のようになります。

しかしながら、複業には乗り越えるべき課題があります。

それは「二頭追う者は一頭も得ず」ということです。両立していくためには自己管理と創意工夫が必要になります。受け身の指示待ちスタイルでは、とてもやっていけないと思います。そこで、大切なことは、複業に先立って、キャリアビジョンを決めることです。自分は50歳になったときに、どうなっていたいのか?何をやっていたいのか?を決めるのです。ビジョンは決まればあとが楽勝、ビジョンを達成するための計画を立てるだけです。

ABOUT この記事を書いた人

記事プロフィール 佐藤 大介(株式会社エンディングキャリア 代表取締役)
私たちは「人材紹介」と「組織風土コンサルティング」を通じて、「豊かな仕事人生」をサポートしています。私は就職氷河期に直面し20年前は失業していました。働く場所がない辛さや悲しみを心底味わいました。その後、ご縁に恵まれて幸運にも人生を切り開くことができました。こんどは私がサポートする立場で、企業と求職者の双方の幸せにつながるご縁を提供できるよう誠実に務めてまいります。