キャリアの専門性とは何か – キャリア設計の参考になります

この記事は、キャリアに関心をお持ちの個人、または、企業の人事担当者、その他ビジネスパーソン向けに書いています。

なぜ、いまキャリアの専門性なのか

2020年頃でしょうか。「ジョブ型雇用」という言葉が頻繁にマスコミに登場するようになりました。もともと社員の入れ替えを前提とした欧米では、「ジョブディスクリプション(職務記述書)」を作成し、それに適応する人を雇用するという考え方が一般的です。「ジョブ型雇用」とは、それを日本企業に適用しようという考え方のようです。

もっとも、1990年以前の日本企業のキャリアパスは、ゼネラリストしかありませんでした。地位を上げていくためには、管理職になってマネジメントするしかないキャリアパスです。
当時のマネジメントスタイルは、「俺についてこい!」と牽引するタイプで、先頭に立って人を束ねられる人が偉くなり高い報酬を得ていた時代です。

私はジョブ型雇用を日本企業にあてはめるのは難しいと考えいますが、キャリアの専門性は大切にしたほうがよいと考えています。ひとつには、「俺についてこい!」という牽引型のリーダーシップが時代と合わないからです。

アニメでいうと・・・

宇宙戦艦ヤマト辺りまでが牽引型のリーダーシップで、上司の命令は絶対です。
機動戦士ガンダムではアムロが上官の命令を拒んでいます。この辺りから上司のいうことは絶対ではないという価値感が生まれてきます。

現代の人気アニメはワンピースです。上下なくフラットなつながりでチームが形成されています。剣豪がいたり、コックがいたり、医者がいたり、それぞれが専門性を持っています。新時代においてキャリアの専門性がなければ、どこの船にも乗せてもらえないという話です。

年代別、キャリアの専門性

年代別に習得しておきたいキャリアの専門性について紹介します。これは多くの企業が中途採用時に募集条件として定めているものです。

20代は、原則、専門性は問われません。
看護師や幼稚園教諭など資格が必要な仕事や一部の理工系が例外です。

30代は職種経験または業界経験のいずれかが問われます。
職種経験を活かす例としては、旅行会社の法人営業をしていた方が、システム開発会社の法人営業に転職するケースがありますし、業界経験を活かす例では、旅行会社の法人営業をしていた人が旅行会社の人事になるようなケースがあります。

40代は、職種と業界の両方の経験が求められます。
旅行会社の法人営業を経験されてきた方は、旅行会社の法人営業にしかなれないのが現実です。

年代別、キャリアの専門性(図表1)

医師や研究者などより専門的な仕事は、20代のころから、その道を目指す必要があります。一般的なビジネスパーソンは、上記の枠組みを基本にキャリアプランを練ると良いと思います。

ポイントは、年齢が上がるほど専門性が重視されることです。

人生100年時代を迎え、労働期間が長期化しているいま、晩年のキャリアを充実させるために押さえておきたい考え方です。

30代と40代の転職可能ゾーン

30代と40代の転職可能ゾーンを比較してみます。水色のマスが転職可能ゾーンを表しており、ひとつ年代が違うだけにこんなにも選択肢が違います。

キャリアは後戻りできないので、戦略的に形成することをおすすめします。
自分の職業適性がわからない20代のうちは、興味のある業界や職種を幅広く経験しておいて、30代以降は絞り込んで専門性を高める方向性が良いと思います。

30代と40代の転職可能ゾーン(図表2)

人事担当者が考えるべき、キャリアの専門性

『自分の職業適性がわからない20代のうちは、興味のある業界や職種を幅広く経験しておいて、30代以降は絞り込んで専門性を高める方向性が良いと思います。』と記載しましたが、人事担当者は、社内でそのようなキャリアパスを作ってあげると良いと思います。

つまり、20代のうちはジョブローテーションで多様な職種を経験してもらう、30代以降は適性等を勘案してキャリアの専門性を決めることをお勧めします。
早めに専門性を固定してしまうと、本人が持っている可能性が気づかれないまま埋もれてしまうリスクがありますし、逆にいつまでも流動的にしていると専門性が磨かれない結果となります。

このようなキャリアパスを人事制度の中で描き、求職者にPRすることで企業の採用力も向上していくと考えます。

会社紹介

弊社エンディングキャリアは東京都渋谷区にオフィスを構え、「人材採用」と「組織風土づくり」を支援している会社です。

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ABOUT この記事を書いた人

記事プロフィール 佐藤 大介(株式会社エンディングキャリア 代表取締役)
私たちは「人材紹介」と「組織風土コンサルティング」を通じて、「豊かな仕事人生」をサポートしています。私は就職氷河期に直面し20年前は失業していました。働く場所がない辛さや悲しみを心底味わいました。その後、ご縁に恵まれて幸運にも人生を切り開くことができました。こんどは私がサポートする立場で、企業と求職者の双方の幸せにつながるご縁を提供できるよう誠実に務めてまいります。