新型コロナウィルスの自粛行動の一環でリモートワークが一気に普及しました。パーソル総合研究所の調査によると、昨年12月現在で、リモートワークを導入している企業の割合は25%、大手企業に限っては45%という結果が出ています。このようになると、リモートワーク下で成果を上げるマネジメントができているのか?という点が非常に重要になってきます。
この記事では、「リモートワークでも成果が上がるマネジメント手法」をご紹介いたします。
私のリモートワーク経験
さて、今回、なぜ、「リモートワークでも成果が上がるマネジメント手法」というテーマでお話ししようと思ったのかといいますと、私の周りにもリモートワークで苦戦している方々がたくさんいらっしゃるからです。
もう一つ理由がありまして、私がリモートワークに慣れているということです。私のマネジメント歴は23年で、直近10年間はリモートワークでマネジメントしてきました。一時は世界各地に直属の部下が7人いるという状態で、カルチャーは違うし時差はあるしという中で、マネジメントがうまく機能せずに大変苦労した経験があります。
そんな中でさまざまなマネジメント課題と向き合い、一歩ずつ積み上げてきたノウハウ、それをご提供できれば幸いです。
リモートワークで押さえたい5つのポイント
リモートワーク下のマネジメントにて押さえたいポイントは次の5つです。
どれか一つからでも始められますが、複数取り組むことによって、相乗効果が生まれます。今回は1について詳しく解説いたします。
- 上司が魅力的な人になる
- 部下のニーズと環境を理解する
- コミュニケーションの質と量を上げる
- 目標(成果)で管理する
- 事評価制度を適応させる
上司が魅力的な人になる
魅力的な人はどんな人?
頭がいい、容姿が美しい、経済的に豊かである、何かで成功している。このような人は確かに魅力的ですが、中には近寄り難い壁を感じたり、鼻持ちならぬ傲慢さを感じる人もいます。一方で、近所のおばちゃん、一介のサラリーマンなどの普通の人、法を犯して刑務所に入った罪人の中にも魅力的な人がいます。そう考えると成功者であることと、魅力的であることはイコールではないと思います。
私の答えは、「与える人」です。
当然といえば当然ですよね。私たちは自分が欲するものを与えてくれる人と一緒にいたいものです。与えるものは、金品だけではなく、愛情、ユーモア、話し相手、知識など無形のものも含まれます。
逆に、奪う人には魅力がありません。お金や時間を奪っていく、愛してほしいと要求してくる、たまに攻撃してくるような人とは一緒にいたくありません。
そういう意味では、お金がなくても誰でも他人に与えられる人になれますし、魅力的な人になれるということになります逆に、奪う人には魅力がありません。お金や時間を奪っていく、愛してほしいと要求してくる、たまに攻撃してくるような人とは一緒にいたくありません。
なぜ、与えてくれる人に魅力を感じるのか?
なぜなら、自分が一番大事だからです。自分が一番かわいいのです。
もう少し具体的に言いますと、私たちは、「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」を満たしてくれる人が大好きで、そういう人に魅力を感じます。
世の中を眺めてみますと、優秀で要領のいい人は、最初の出だしは良いのですが長続きしません。どちらかといえば魅力的な人のほうが豊かな人生を歩んでいるように思えます。
まずは自分を満たしてあげることが大切
ただし、自分だけでも大変で他人に与える余裕がないという方もいらっしゃると思います。
「自分を愛せない人は、他人を愛せない」という言葉があるように、自分が満たされていない状態で他人に与えることは難しいです。そのような時はまずは自分を満たしてあげてください。満たすための方法は2つです。
①成功するか、②諦めるか このどちらかです。
①の成功するは、志望大学に合格したり、仕事で成功したり、高収入を得たり、お目当ての相手と結婚したり、自分の欲求を実現することです。
②の諦めるは、成功しなくても、現状でも十分に幸せであると気がつくことです。
①が偉いわけではありません、②の考え方でもいいのです。こうして自分は満たされていると感じるときに、人は他人に何かを与えたくなります。
マズローは晩年に欲求段階説には6段目を追加しました。「自己超越の欲求」です。自分を超えて、他人のために役立ちたいという欲求です。この欲求は生まれながらにして誰もが持っていますが、前述の5段階を満たしたときに起こりやすい欲求ではないかと思います。
まずは、自分を満たすこと、次に、他人に与えること。これを実践している人が魅力的な人ではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「リモートワークでも成果が上がるマネジメント手法」の5つのポイントの一つとして、「上司が魅力的な人になる」を紹介いたしました。
ここまでの話で十分ご理解いただけたかと思いますが、上司は「部下に与える人」になることが大事です。ただし、与えるものは昇給や昇格だけではありません。愛情、ユーモア、話し相手、知識など無形のものでよいのです。その気になれば誰にでも実行できることです。
これはリモートワークに限った話ではありません。オフィスワークの時でも同じですが、リモートワークのほうが対人関係が希薄になりやすいため、より一層効果が感じられると思います。
あなたが部下だったらどうでしょう?
上司に魅力があれば、その上司についていこう、その上司を支えようと思い、やる気がわくのではないでしょうか。そうなれば自ずと成果が上がってくるのは明白です。
佐藤 大介(株式会社エンディングキャリア 代表取締役)
私たちは「人材紹介」と「組織風土コンサルティング」を通じて、「豊かな仕事人生」をサポートしています。私は就職氷河期に直面し20年前は失業していました。働く場所がない辛さや悲しみを心底味わいました。その後、ご縁に恵まれて幸運にも人生を切り開くことができました。こんどは私がサポートする立場で、企業と求職者の双方の幸せにつながるご縁を提供できるよう誠実に務めてまいります。