組織開発とは?本質的な定義をシンプルに解説
組織開発の定義
組織開発とは何か。この曖昧でつかみどころのないテーマを明確かつシンプルに解説してみたい。当社では組織開発を次のように定義している。
「組織の人間関係に働きかけることで、組織のパフォーマンスや健全性を高める取り組み」
これは、世界中の学術論文で掲げられている定義と比較して、枝葉の揺れはあっても根本的なズレはない。この定義の意味を具体的にひも解いていきたい。
「人間関係に働きかける」とは
人間関係とは、人と人の間の相互作用を意味する。
より良い相互作用が生まれるように働きかけることが組織開発という取り組みである。
相互作用の一つに、交流分析のストロークという考え方がある。プラスのストロークは、「承認する、聴く、励ます」など相手にポジティブな影響を与える関わり。一方、マイナスのストロークは、「無視する、否定する、見下す」など相手にネガティブな影響を与える関わりである。
もう一つ。相手の性格に応じて相互作用を考える視点もある。当社はエゴグラムテストを用いて、パーソナリティーを把握したうえで、相手の価値観に寄り添った関わり方を推奨している。例えば、責任感が強くプレッシャーを感じている人に「がんばれ!」という声掛けは逆効果であり、傾聴と承認の姿勢で接することが正解である。
人は、誰と仕事をするかによって、パフォーマンスが上がったり下がったりする。そのため、より良い相互作用を実践することで、パフォーマンスを高めることができる。
「組織のパフォーマンスや健全性を高める」とは
現代の企業経営者が求める「組織パフォーマンス」は「継続的な顧客価値創造」だと思っている。外部環境の変化が激しい中では、事業モデルや製品のライフサイクルは短くなり、企業は常に顧客価値創造に取り組む必要がある。そうしないと、ゴーイングコンサーンは実現しない。高速化かつ多様化したビジネス環境においては、組織全体を挙げての価値創造が求められる。
その価値創造を実現する土台として、「組織の健全性」が必要になる。一つは、心理的安全性が確保され、言いたいことが言い合える環境であること。もう一つは、従業員が理念やビジョンに共感していることが、健全な組織の姿だ。このような土台の上にこそ、新たな価値が生まれる。
ここまで、組織開発とは何か。その定義を解説してきた。
組織開発のコンサルティング手法
ここからは組織開発のコンサルティング手法について紹介したい。
組織開発のアプローチには、Tグループやオフサイトミーティングをはじめとする多様な手法が存在するが、その本質的なプロセスは「診断」「対話」「体験」の3つに集約される。
診断
「診断」とは、組織の人間関係を見える化することである。
人間関係とは人と人との相互作用であり、組織メンバー同士が職場でどのような言動で交流しているかを見える化する。組織で発生している問題を把握し、その原因を特定するからこそ、ピンポイントで効果的な施策を打つことができる。
対話
「対話」とは、お互いに相手を受け入れて本音で交流することである。
相手を受け入れるためには、自分と相手は別人格であり、立場も価値観も違うという前提に立つことが大切になる。そのうえで、表面的な言葉や感情の奥にどんなニーズを抱えているのかを話し合うことで、相手と深く繋がることができる。
体験
「体験」のアプローチは、「個人ワーク」と「グループワーク」に大別される。
個人ワークは自己と深く向き合う体験であり、自分史の作成や行動分析などの手法がある。一方、グループワークは複数人で取り組む協働体験であり、チームでドミノを並べたり、手をつないだ状態でフラフープをくぐり抜けたりといったアクティビティを行う。
まとめ
さいごに、本記事のテーマ「組織開発とは何か」のまとめと、組織開発の取り組みがどのように企業の業績向上へと繋がるのかを構造化してお伝えする。
組織の人間関係に働きかけることで、組織のパフォーマンスや健全性を高める取り組み
- コミュニケーションの質や頻度の向上
- 心理的安全性の向上
- 理念やビジョンの浸透
- 部門間の壁の解消
- 主体性の向上
- 新たな顧客価値の創造
- 業務効率の向上
- 離職やメンタルヘルス不調の減少
- 売上の増加
- 費用の減少
本記事で最もお伝えしたいことは、現代の企業経営において「継続的な顧客価値の創造」が企業存続のために必要であり、それを組織的に取り組むために、組織開発手法は本質的に有効だということである。
