【事例紹介】「研修の効果が続かない」構造を打破。新卒離職率50%→10%を実現した関係性強化アプローチ

【事例紹介】「研修の効果が続かない」構造を打破。新卒離職率50%→10%を実現した関係性強化アプローチ

クライアント:情報通信サービスB社

※クライアント企業や個人の特定を避けるため、事例の本質を損なわない範囲で一部の情報を変更・加工して記載しています。

導入前の状況

「研修で教わったことは分かるけど、この現場では通用しないんだよ。」

配属されて間もない新入社員に対し、ベテランの現場マネージャーが言い放ちました。新入社員は力なく「……はい、わかりました」と俯きます。その瞳からは、入社時の期待に満ちた輝きが失われていました。

これは、情報通信サービスB社で、日常的に繰り広げられていた光景です。同社は毎年10名前後の新卒を採用していましたが、3年後にはその半数が辞めていくという深刻な「離職課題」を抱えていました。

人事責任者であるK氏は、多額の予算を投じ、「新卒向けビジネスマインド研修」や、管理職向けの「コーチング研修」を導入していました。しかし、毎年のように研修を実施しても、現場配属後に、その効果は急速に失われていきました。

「若手は打たれ弱く、すぐに辞める」と嘆く管理職。
「上が古臭いやり方を押し付けてきて、話を聞いてくれない」と絶望する若手。

研修への投資は、「現場のリアル」という壁にぶつかり、無力化されるどころか、双方の不信感を煽る結果を招いていました。

ご依頼の背景

「このままでは、新卒が定着せずに、将来的なミドル層が弱体化してしまう」と強い危機感を抱いた人事責任者のK氏から、当社に問い合わせが入りました。K氏のオーダーは明確でした。

「単に『辞めないように優しくする』だけの定着率向上では意味がありません。自立して稼げる人材への『戦力化』までを見据えたい。しかし、社内の人事から現場のマネジメントに口を出しても、まともに取り合ってもらえないのが現実です。第三者のプロの力を借りたい。」

この会社で起きていたのは、決して「優秀な人材が採用できていない」ことでも、「管理職の能力が低い」ことでもありませんでした。個人個人は優れているのに、それが噛み合う「関係性」という名の潤滑油が完全に枯渇している状態だったのです。

当社は上司と部下の関係性を強化する支援プランを提示しました。

当社のアプローチ

感情論になりがちな現場のズレを客観的に可視化し、そのうえで相互理解を深める支援を行いました 。

  1. 組織風土診断による「関係性のズレ」の客観的データ化
    組織風土診断を実施し、個人の性格傾向や関係性を可視化しました。
    その結果、上司側には「責任感が強く、要求水準が高い」傾向が、新卒社員側には「合理性と対人関係重視」の傾向があることがデータとして明確になりました。
  2. データに基づく相互理解ワークショップを実施
    客観的なデータを基に立場や価値観のズレを認識し、相互理解を深める場を設けました。お互いの価値観を学び合い、チームの目標達成に向けてどのように協業するのが有益かを話し合うワークショップを実施しました。
  3. 1on1を通じた行動定着の伴走支援
    ワークショップでの気づきを日常業務に定着させるため、個別の1on1を通じた継続的なフォローアップを行いました。

成果

  1. 新卒の定着率の劇的改善(50%→10%)
    入社3年間の離職率が50%から10%へと大幅に改善しました。
  2. 戦力化スピードの向上(独り立ち期間を半年短縮)
    指示待ちだった新卒社員が「自分ならこう考えますが、どうでしょうか?」と自発的に提案するようになりました。上司もそれを否定せず共に最適解を探るパートナーとしての関係性が構築され、その結果、独り立ちまでの期間が半年短縮されました。
  3. 年間約1,200万円のサンクコスト(埋没費用)削減
    1人あたりの採用単価(約100万円)と1年間の育成コスト(約200万円)を仮定した場合、毎年の離職者が5名から1名に減ったことで、年間約1,200万円規模の無駄なコストの流出がストップしました。

まとめ

組織の関係性のズレは、個人のやる気や努力だけで解決することは困難です。
「研修の効果が出ない」「若手が定着しない」という課題は、第三者が介入し、絡まった糸を正しく解きほぐすことで、どんな組織でもより良く変わることができます。
「関係性」を起点に、現場の課題を解決してみませんか。

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佐藤大介写真
執筆者
株式会社エンディングキャリア
代表取締役 佐藤大介
  • 1979年生まれ、青森市出身、川崎市在住
  • 高校卒業後、航空自衛隊に入隊。その後、就職氷河期の中で転職しながらキャリアを形成。大手から中小企業まで多様な業種での経験が強み
  • 事業責任者および人事責任者として、人材育成・組織開発領域に20年従事
  • 人の多様性を成果につなげるため、関係性を起点とした組織開発・人材育成の支援を提供
  • 多摩大学大学院修了、キャリアコンサルタント