エゴグラムテストとは
エゴグラムテストは、対人関係の特性を客観視できる性格診断テストです。 エゴ=自我、グラム=図表、の意味合いで、5つの自我状態が図表化されます。
エゴグラムテストは、アメリカの精神科医、ジョン・M・デュセイが創始した「TA交流分析」という心理学のプログラムの1つです。 主に心理療法で使用されている手法ですが、当社が提供している「一般社団法人ブリリアントスター」のテストは、特にビジネスシーンでの性格が診断されるようにできています。
やり方は簡単で、50問前後の質問に「はい」・「いいえ」・「どちらでもない」で答えるだけ。5分で済みます。自分や他人の性格特性を知ることで、より良い人間関係形成に役立てることができます。
他の適性診断テストとの比較
エゴグラムテストは診断結果を良し悪しで評価しません。あくまでも違いとして理解します。また、対人関係の特性が見やすい特徴があります。
性格の構造
英語では性格をキャラクターとかパーソナルと呼びます。キャラクターは刻み込まれたもの、パーソナルはペルソナと言って仮面を被った表面的なものを意味します。日本では性格を両方の意味で使われることが多いです。一般的には性格を、木の年輪のような図で表現します。
エゴグラムで診断する対象は「社会的役割性格」であり、役割や場面によって変化する特徴があります。固定的ではないということが大事なポイントです。
- 気質
- 気質とは人に生まれつき備わっている性格の根っこのことです。気質は性格の原点で後天的に変えることができません。
- 育ちの性格
- 幼少期までの親の教育によって確立される性格で影響がとても強く変えにくい性質を持っています。
- 習慣的性格
- 日々の様々な経験を通じて形成される性格で習慣的な接し方や態度のことで変えることができます。
- 社会的役割性格
- 役割的性格とは社会の様々な場面に適応しようとする過程で形成される性格で、役割や場面によって変化します。
性格を理解するための
3つのポイント
<① 長所は短所>
性格に良い悪いはありません。長所の裏には必ず短所があり、それが個性です。
注意点は、関係が良いときは長所が目立ちやすく、関係が悪いときは短所が目立ちやすいことです。
- 例1
- 儲からない取引先は切るのは合理的だけど、長年連れ添った取引先はドライに感じるかも知れません
- 例2
- 好奇心が強かったり、いろんなことに興味を持つ人は、そのことを周りにきいてほしいと思います。でも、周囲がきいてくれないと、へそを曲げることがあります
- 例3
- 金属加工の職人さんは、1mmもズレないように製品をしっかりを仕上げます。そういう職人さんには頑固な人が多いです
<② 自分を基準に考えやすい>
自分の認知のゆがみに気づいていることが大切です
例えば、エゴグラムのNP(母)が高い人は、親切で面倒見がいい性格傾向があります。
そういう人から周囲を見ると、「なんで助けてあげないんだろう」、「もっと声をかけてあげればいいのに」と思うことがあります。そのため、エゴグラムのNP(母)が高い人は、自分が優しい分、周囲の世界を冷たく感じることがあります。
<③ 性格は連続的な傾向性>
性格は固定的ではなく変化するものです。ここでは連続的な傾向性を性格と呼びます
いつも暗い性格と思っていた人が、ある日突然明るくなったとして、この瞬間は、周囲は明るい性格の人とは言いません。 「あれ?今日はどうしたんだろう?」と思います。 その状態が半年以上続いたらどうなりますか?きっと、周囲から明るい性格の人と認識されるようになります。
エゴグラムの5つの指標
エゴグラムには5つのパーソナリティーがあります。
CP(Critical Parent) | 厳しい父親のような性格 |
---|---|
NP(Nurturing Parent) | 優しい母親のような性格 |
A(Adult) | 合理的な大人のような性格 |
FC(Free Child) | 自由な子供のような性格 |
AC(Adapted Child) | 順応的な子供のような性格 |
どのパーソナリティーが高いかによって、同じ場面に出くわしても反応が異なります。 例えば、迷子の子供がわんわん泣いている場面に出くわしたとします。
- 「ああ、可哀そうに・・・」と反応するのが、NP(優しい母親)の性格
- 「おや、まてよ、ここで話かければ不審者だと思われるリスクがあるな」と分析から入るのが、A(合理的な大人)の性格
- 「親は一体何をしているんだ!」と批判するのが、CP(厳しい父親)の性格
というように、高いパーソナリティーの影響を受けて自動的に反応します。
診断結果の読み方
エゴグラムテスト結果は20点満点の折れ線グラフで表現されます。
10点が平均で、10点より20点に近ければ近いほど、上に書いてある特徴が強く出ます。10点より0点に近ければ近いほど、下に書いてある特徴が強く出ます。高ければ良いとか、低ければ悪いというものではありません。上と下が真逆の傾向になっており、それぞれの特徴が個性を形成しています。
■CPは、信念に従って行動する厳しい父親のような性格です。
CPが高いと、良心的・道徳的・責任感が強い・理想を追求する・秩序を守るなどの特徴があります。
自分の価値や考えを譲ろうとせず、権威的、支配的、命令的口調が目立つようになります。
CPが低いと、友好的な人で、他人や社会を批判したり攻撃したりしません。部下に指導にも甘い面があり、自他にルーズであきらめやすく、意思の薄弱さがあります。
■NPは親切、思いやり、寛容な態度を示します。罰するよりもほめて育てる優しい母親のような性格です。
NPが高いと共感性が高く同情的、他人を認め、強制をせず、親切で面倒みが良い特徴があります。
NPが低いと、閉鎖的であまり人に関心がもてず、非有効的で思いやりにかけて見えます。人付き合いが悪く警戒心が強い、冷淡という特徴があります。
■Aは事実に基づいて物事を判断する大人の性格です。
Aが高いと、情緒より知性が勝り、データを集めて論理的に処理していく働きがあります。冷静沈着で現実的、理性的で、効率を重視する傾向があります。
計画性がありムダを嫌います。打算的で冷たい印象を持たれます。
Aが低い人は、情緒的、直観的になりやすく人間味あふれる良さがありますが、現実無視、非合理で感情的、動揺しやすいという傾向があります。
■FCは、自分の欲求のままに振る舞い、自然の感情をそのまま出す縛られない子供の性格です。
FCが高い人は、縛られないので行動先行型になります。自己肯定的で明るく楽しい反面、自己中心的でわがままな面があり、
他人に対しる配慮に欠けることがあります。
FCが低い人は、感情を抑制しやすくなります。わがままさが少なくて我が弱い。しかし、物事を楽しめずにおとなしい印象です。
■ACは、自分の本当の気持ちを抑えて相手の期待に沿えるようにつとめる順応した子供の性格です。
ACが高い人は平和主義で協調性があります。いやなことを嫌と言わずに自分の自然な感情を抑える傾向です。
相手にゆだねて、自分の意見を伝えられない特徴があります。良い人にみられますが、その分ストレスをためやすい傾向にあります。
ACが低い人は、非協力的な人です。独自性が強すぎて周囲と馴染めないことや頑固で融通が利かない傾向があります。
「組織風土診断」への活用
当社ではエゴグラムテストを活用した「組織風土診断」を提供しています。診断では次のようなことが分かります。
- 企業カルチャーの特徴
- 組織の強みと弱み
- メンタル不調者や離職のリスク
- ハラスメント傾向
- 伸びしろや伸び悩みの傾向
- 組織の風通しの良い箇所、悪い箇所
- など
無料で提供していますので、よろしければお試しください。