2024.09.05
働き方改革の遅れがもたらす製造業の採用課題とは?

はじめに

日本の労働市場において、働き方改革はもはや避けられないテーマです。
しかし、製造業の現場では、この改革が進むスピードが他の業界に比べて遅れていると言われています。この遅れがどのように採用活動に影響を及ぼしているのか、そして企業がどのように対応すべきかを考えてみましょう。

そもそも、働き方改革とは?

働き方改革は、日本が推進する労働制度の改革のことで、労働者の多様な働き方を実現し、ワークライフバランスを向上さあせることを目的とした一連の政策です。
基本的にすべての会社が働き方改革に取り組む必要があります。働き方改革は日本全体の労働環境を改善し、生産性を高めるための重要な政策であり、企業の規模や業種を問わず、実施が求められています。

なぜ製造業は働き方改革が遅れているのか?

製造業の特徴として、現場での作業が中心であり、他業界のようにリモートワークやフレックスタイム制度の導入が難しいという現実があります。生産ラインを止めるわけにはいかないため、フレキシブルな働き方の導入が進みにくいのです。
さらに、製造業の多くが中小企業であり、資金や技術的な制約から働き方改革のためのシステム導入や職場環境の改善が進んでいないことも、遅れの一因となっています。

働き方改革の遅れがもたらす採用の課題

① 求人の競争力低下

働き方改革の遅れは、採用活動において深刻な影響を与えます。
デジタルネイティブといわれる若い世代や子育て世代は柔軟な働き方やワークライフバランスを重視する傾向が強く、魅力的な労働環境を提供できない企業は、優秀な人材を確保することが困難になってきました。特に、ITやサービス業など他の業界ではリモートワークやフレックス制度が広がっているため、これらの業界に比べて製造業の求人は競争力が低下しています。

② 離職率の上昇

また、長時間労働や過酷な労働環境が続くことにより、既存の従業員のモチベーションが低下し、結果として離職率が上昇します。採用担当者としては、離職した人材を補填するための採用活動に追われ、効果的な人材戦略を立てる余裕がなくなってしまうことが課題です。

働き方改革を加速させるための解決策

① テクノロジーの導入による業務効率化

製造業でも働き方改革を進めるためには、やはりテクノロジーの導入が必要不可欠といえます。例えば、IoTやAI、ロボティクスを活用することで、作業の自動化や生産性向上を図り、労働時間を短縮することが可能です。これにより、従業員の負担を軽減し、働きやすい環境を提供することができます。

② フレキシブルな制度の導入

すべての業務にフレキシブルな働き方を導入することは難しいかもしれません。しかし、例えば一部の事務作業や設計業務など、リモートワークが可能な部門では、柔軟な働き方を取り入れることができます。また、シフトの柔軟化や子育て中の従業員向けの時短勤務制度の導入は、ワークライフバランスの改善に寄与し、企業の魅力を高める要素となるでしょう。
リモートワークの導入が難しい場合でも、フレックスタイム制の導入を検討することは有効な手段と考えられます。これにより、従業員の働きやすさを向上させ、企業全体の生産性向上にもつながる可能性があります。

③ 働き方改革の取り組みを積極的にPRする

すでに働き方改革を積極的に推進している企業は、その取り組みを積極的に発信することで、採用市場での競争力を高めることができます。自社の働き方改革の取り組みや実績をPRすることで、求職者にとって魅力的な企業イメージを構築し、人材を惹きつけることができます。
自社のホームページや求人サイト、採用ページ、SNSなどのツールを活用し、これらのプラットフォームで積極的に情報発信を行うことで、より多くの求職者にアピールできるでしょう。

まとめ

働き方改革の遅れは、製造業の採用活動において大きな課題となっています。しかし、テクノロジーの導入や柔軟な働き方の導入を通じて、その遅れを取り戻すことは十分可能です。
この記事が製造業の働き方改革を推進するためのヒントとなることを願っています。

平田菜月プロフィール画像

株式会社エンディングキャリア
平田 菜月

私たちは「人材紹介」と「組織風土コンサルティング」を通じて、「豊かな仕事人生」をサポートしています。2021年7月に株式会社エンディングキャリアに参画。2年半にわたり、キャリアカウンセラーとして企業と求職者のより良いマッチングを実現するお手伝いをしていました。妊娠・出産を経て、現在はWEBマーケティングとスタッフの業務サポートを担当しています。