2024.10.31
採用広報とは?注目される背景と実施ポイントを解説

採用広報とは?

採用広報とは、企業の採用活動と広報活動を組み合わせ、自社の魅力を発信し、採用活動を優位に進めるための活動のことです。従来の「求人広告を出す」「人材紹介会社に依頼する」といった採用活動に加えて、自社で積極的に情報発信を行い、共感や興味を持つ潜在的な候補者との接点を増やしていくことが重要です。
この記事では、採用広報が注目される背景とその目的、さらに採用広報を成功に導くためのポイントについて解説します。

採用広報が注目される背景

① 求職者の企業選択軸が多様化

採用広報が注目される背景には、求職者の企業選択における価値観の多様化が挙げられます。職種や給与だけでなく、企業の文化や価値観、ワークライフバランスなど、求職者が企業を選ぶ基準は多岐にわたるようになりました。そのため、企業は自社の魅力を多角的に伝える必要性に迫られています。

② 求職者はリアルな情報を求めている

近年、インターネットやSNSの普及により、求職者は企業情報を容易に入手できるようになりました。そのため、企業は誇張や操作のない、信頼できる情報を発信することが重要です。社員インタビューや職場環境の紹介などを通してリアルな情報を伝えることで、求職者に安心感を与え、企業への共感を得られます。

③ 転職潜在層へのアプローチの必要性

優秀な人材は、必ずしも今すぐ転職を考えているとは限りません。現職で活躍している人材の中にこそ、企業にとって魅力的な人材が眠っている可能性があります。そのため、今すぐの求職者だけでなく、転職潜在層にアプローチすることが不可欠になってきました。採用広報は、転職潜在層に対して自社の魅力を訴求し、将来的な転職意向を高める効果も期待できます。

採用広報の目的

採用広報の主な目的は、次の3つに集約されます。

① 自社の魅力を発信し、ターゲット層にアピールする

企業の価値観や事業内容、社員の働き方を発信していくことで、共感する求職者を引き付けることができます。これにより、採用後のミスマッチを防ぎ、定着率の向上が期待されます。

② 求める人物像を具体的に伝え、応募者の質を高める

採用サイトやSNSで企業が求める人物像を明確に伝えることで、応募者自身が「自分が求められているか」を判断しやすくなります。これにより、企業の文化や仕事にマッチした人材が集まりやすくなり、応募者の質が向上します。

③ 企業のブランド力を高め、採用力を向上させる

採用広報活動を通じて、企業が社会的にどのような価値を提供しているかを発信します。「この企業で働きたい」「この組織の一員になりたい」という共感を生み出すことは、求職者だけでなく、社員のモチベーションやエンゲージメント向上にもつながります。

採用広報を成功させるポイント

採用広報を成功に導くためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

① 明確な戦略を立てる

採用広報では、一貫したメッセージと目的を持つことが不可欠です。
まずは、自社が抱える採用課題を具体的に把握し、解決すべきポイントを明確にしましょう。例えば、応募者数が少ない場合は母集団形成の強化が求められます。一方で、早期離職が多い場合は採用ミスマッチの改善が課題となります。
このように、採用課題によって施策が異なるため、まずは解決すべき目的を設定し、その目的に沿ったメッセージを発信することが重要です。的確な戦略を立てておくことで、採用活動の方向性がぶれることなく進められ、効果的な採用広報が実現できます。

母集団形成について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご参考ください。
【関連記事】質を重視した母集団形成のポイントとは?今すぐ実践できる具体策を紹介

② 採用チャネルを効果的に活用する

採用チャネルは、採用サイト、SNS、ブログなど、さまざま存在します。大切なのは、①で策定した戦略に基づき、目的に応じたチャネルを選ぶことです。
例えばSNSの場合、Instagram、X(旧Twitter)、Youtubeなど、数多くの採用チャネルが存在し、それぞれ利用している世代やユーザー数、目的が異なります。新卒採用と中途採用とでSNSを使い分けるなど、自社のターゲットに合う採用チャネルを活用するのも効果的です。効果が見込めそうならば、複数のチャネルを戦略的に組み合わせ、情報を連動させることで、より多くの候補者にアプローチできるようになります。

③ 社員の声を活用する

社員の声は、求職者にとって企業の雰囲気や働き方を知る上で重要な情報源となります。社員インタビューなどで社員の声を積極的に発信することで、求職者の共感を得ることができます。例えば、その社員がどのようなビジョンを持っているのか、どのような価値観を大切にしているのかなど、様々な観点から社員の声を引き出すことが大切です。社員一人ひとりの個性や想いが伝わるため、求職者の心に響き、企業の魅力を効果的に伝えることができる効果があります。社員の声を通して、求職者に「この企業で働きたい」と思ってもらえるよう、積極的に発信していきましょう。

採用広報で得られるメリット

① 自社の採用力向上、採用コストの低減る

採用広報活動が成功すると、自社に直接応募する候補者が増えることに繋がります。これにより、求人広告や人材エージェントへ支払っていた外部コストを削減できます。

② 人材定着率の向上

事前に仕事内容や企業文化を伝えることで、採用後のミスマッチを防げます。「仕事内容がイメージと違った」「カルチャーギャップを感じた」などのミスマッチが発生しないよう、自社の魅力のみならず、懸念事項も事前に発信することがおすすめです。

③ 企業ブランドの向上

企業自ら積極的に情報発信することで、転職潜在層に対しても自社のアピールができます。認知度を上げられれば、転職潜在層の候補者が転職したいと思ったときに、転職先の候補としてあがる可能性が高まります。

まとめ

採用広報は、企業が自社の魅力を多角的に発信し、採用活動を優位に進めるための重要な取り組みです。従来の求人広告や人材紹介だけでなく、積極的な情報発信を通じて共感を生み、潜在的な候補者との接点を増やすことが求められています。採用広報は、明確な戦略、効果的なチャネル選定、そして社員の声を活用することが重要です。これらの要素を組み合わせることで、採用活動だけでなく、人材定着率の向上や採用コストの削減、企業ブランドの向上といった多くの成果を得られます。

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長安理代プロフィール画像

株式会社エンディングキャリア
長安 理代

私たちは「人材紹介」と「組織風土コンサルティング」を通じて、「豊かな仕事人生」をサポートしています。
20年以上の会社勤務で、役員秘書、営業事務、企画、カスタマーサポートなどを経験。2005年にコーチングに出会い、“誰もが、より自分らしく生きる社会を創る”をミッションに非営利団体で活動。その後、コーチングをベースにしたキャリア相談をしたいと思い、人材業界にシフトしました。現在はキャリアカウンセラーとして求職者支援と、企業の採用支援の両面を行い、Happy✕Happyなマッチングを目指しています。