2024.10.30
質を重視した母集団形成のポイントとは?今すぐ実践できる具体策を紹介

母集団形成とは?

母集団形成とは、自社の選考に応募する求職者を集める活動のことを指します。単に応募者を増やすのではなく、「この人と一緒に働きたい!」と思える人材を集めることが重要です。新卒採用でも中途採用でも、この母集団形成がしっかりできているかどうかが、採用の成否を左右します。
しかし、「募集をしても応募者が集まらない」「自社が求める人材からの応募がない」といった課題に直面する企業も多く見られます。効果的な母集団形成には、単なる募集活動ではなく、戦略的なアプローチが必要です。

なぜ母集団形成が大切なのか?

近年、日本の労働市場はますます厳しくなっています。少子高齢化の影響で、15歳から64歳の生産年齢人口が減少しています。働ける年齢層の人口が減っているため、企業間で優秀な人材を確保する競争が激化しているのが現状です。

日本の人口の推移

出典:厚生労働省「令和5年版厚生労働白書」をもとに独自で作成

また、求職者は複数の企業から内定を得るケースも増えたことで、選考辞退や内定辞退が増加しているのが現状です。適切な母集団を形成することは、採用活動を計画的かつ効率的に進めるための重要な基盤となります。ターゲットとする応募者が集まれば、採用人数の目標を達成しやすくなり、同時に無駄なコストの削減にも繋がります。

効果的な母集団形成のステップ

ステップ1:採用計画を立てる

最初に、事業戦略に基づいて、どのポジションに何名の採用が必要かを決めます。また、必要なスキルや経験を具体的に洗い出し、採用要件を明確にします。これにより、計画的な母集団形成が可能になります。

ステップ2:採用手法の選定

次に、ターゲットとする人材に合った採用手法を選びます。以下は、代表的な採用手法の例です。

① 求人媒体(メディア)

転職サイトや就職情報サイトを利用して、ターゲット層に向けた募集情報を発信します。幅広い求職者層にリーチすることができ、コストを調整しやすい点がメリットです。

② 人材紹介

人材紹介会社を活用することで、専門的なスキルや特定の経験を持った候補者を効率的に集めることができます。採用担当者が自社で候補者を探す負担を軽減できるほか、非公開の求人案件にも対応可能です。特に中途採用の場面で有効な手法です。

③ ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、企業がSNSや専門サイトを通じて、求職者に直接アプローチする手法です。今すぐ転職を考えていない潜在層にもアプローチが可能で、特に競争の激しい市場で効果を発揮します。

ステップ3:募集活動の実施

採用活動を開始したら、応募者の数と質を定期的に確認することが重要です。応募者のプロフィールが採用要件に合致しているかを見直し、進捗状況を把握します。必要に応じて、求人媒体や募集内容を調整することで、選考辞退や遅延を防げます。

ステップ4:振り返りと改善

募集期間終了後は、採用結果を振り返り、課題を特定します。応募数や選考の歩留まりを分析し、採用チャネルの効果を評価しましょう。次回以降の採用活動に向けて、媒体選定や募集文面の改善を行うことが、母集団の質向上につながります。

よくある失敗とその回避策

母集団形成で多くの企業が陥る失敗は、「応募者の数を優先し、質をおろそかにする」ことです。数を優先すると、求める人物像に合わない応募者が増え、選考の手間が増大し、コストが膨らむ原因になります。

① 採用要件の明確化

今一度、必要なスキルや経験を具体的に定めます。要件が曖昧だと、幅広い応募が集まり、対応の工数が増えてしまいます。

② 進捗の定期的なチェック

募集期間中は、応募者の選考プロセスを随時確認し、ターゲットとする人材が選考を進んでいるかを把握します。もし進捗が思わしくない場合は、採用チャネルや募集内容を見直すことで、無駄なコストを抑え、選考を効率化することができます。

③ 求人戦略の見直しと改善

応募の状況によって、戦略を柔軟に変更することも重要です。想定より応募が少ない場合は、求人原稿や募集条件を再確認し、ターゲット層に届くように調整します。こうした改善を繰り返すことで、質の高い応募者を確保しやすくなります。

まとめ

母集団形成は、企業の採用活動における最初の重要なステップです。単に応募者数を増やすだけではなく、求める人物像に合った優秀な人材を集めることが、採用成功の鍵となります。複数のチャネルを駆使し、計画の振り返りと改善を続けることで、質の高い採用活動が実現します。
人材市場が厳しい今だからこそ、母集団形成の成功が、企業の成長と生産性向上につながる基盤となります。

おまけ

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長安理代プロフィール画像

株式会社エンディングキャリア
長安 理代

私たちは「人材紹介」と「組織風土コンサルティング」を通じて、「豊かな仕事人生」をサポートしています。
20年以上の会社勤務で、役員秘書、営業事務、企画、カスタマーサポートなどを経験。2005年にコーチングに出会い、“誰もが、より自分らしく生きる社会を創る”をミッションに非営利団体で活動。その後、コーチングをベースにしたキャリア相談をしたいと思い、人材業界にシフトしました。現在はキャリアカウンセラーとして求職者支援と、企業の採用支援の両面を行い、Happy✕Happyなマッチングを目指しています。