社会の変化を予見したキャリア開発のすすめ

どこでも通用する人材になるために、何を目指し、どのようにキャリア開発を進めていけばよいのか?
人生100年時代を豊かに生きていくためのキャリアはどうあるべきか?

これらの問いに答えることが、このブログの目的です。

私自身、試行錯誤の連続です。最近は脳科学に強い関心があり、いろいろな文献にあたっています。
その中で、社会の変化を予見するきっかけを与えてくれたのが、ユヴァル・ノア・ハラリさんの「21 Lessons」という本です。

AIと生物工学の発展による社会的影響

この本では、現代人がどう生きるべきか21個の重要テーマを紹介しているのですが、衝撃だったことは、AIと生物工学の2つが私たちの生活を大きく変えるということです。

インターネット社会では常に人々の行動が監視されています。
いつ、誰が、どこで、何を検索したのか、ビッグデータが蓄積されます。そのデータを活用して機械学習を行うことで、AIが人間以上に優れた意思決定ができるようになります。

例えば、採用面接では、これまではアピール上手な人が高評価を得ていましたが、今後はAIが判断できる時代になります。
応募者のインターネット閲覧履歴はもちろんのこと、SNSでの交流関係、さらに戸籍情報や医療データにアクセスできるようになると、個人の情報が丸見えになります。1時間ほどの面接を実施するよりも、AIの判断ほうが信頼できるのは明白です。

これと同じように、政治や司法やビジネス、プライベートの様々な場面でAIの意思決定に頼るようになると、人間の意思決定はAIに従うという構図になり、あたかも人間がAIに支配されているかのように思えてきます。
私はこの事実を知って、ショックを受けました。AIや生物工学は人間が作った道具であり、逆に支配されるのは、人間としての尊厳を失うと感じたからです。

50年後、こういう未来がくるかどうかは誰もわかりませんが、ハラリさんの本を読んでいると、現実になってもおかしくないと感じます。

キャリアへの影響

AIの発展により、雇用環境も大きく変わります。

まずは、早々に定型業務がITに置き換えられます。
さらに将来的に自動運転が実現すれば、ドライバーという職がなくなります。裁判もAIに従ったほうが適切な判決ができるようになるでしょう。採用面接官も不要になるかもしれません。マーケティングもAIに従ったほうが優れた施策を生み出すでしょう。

現在、世界中の国々がAIと生物工学に多大な投資を続けていますので、この方向性は止めようがありません。

私たちは変化の激しい時代に生きています。何年後にどうなるのか予測することは不可能ですが、大きな流れを把握することは誰にでもできます。私たちは大きな流れをつかみながら、それぞれのキャリアを築いていきたいものです。

この記事を書いた人

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佐藤 大介
(株式会社エンディングキャリア 代表取締役)

人生100年時代を迎え、働く期間がますます長期化しています。その中で、生涯にわたり現役として活躍できるキャリアを支援したいという想いから、2020年に当社を設立しました。
充実した生涯キャリアを実現するためには、自分のことをよく理解し、自分に合った職業に就くことが大切です。弊社は、自己理解を深めるための対話者であり、解像度の高い求人情報をお届けする情報提供者でありたいと思っています。それにより「ミスマッチ・ゼロ」の実現を目指しています。
また、当社は製造業に特化してサービス提供をしています。私は2000年初頭に欧米やアジアを放浪しました。その時、街中で見かけた日本製品の圧倒的なシェア、現地の方々のメイドインジャパンへの惜しみない賛辞。私には「日本が誇る製造業を応援したい!」という強い想いがあります。
「製造業が元気になれば、日本も元気になる!」という信念をもって、企業と人とのご縁結びを誠実にサポートさせていただきます。