人生100年時代のキャリアの築き方

私はキャリアカウンセリングを本業にしています。

今回のテーマは「人生100年時代のキャリアの築き方」です。

結論からお伝えします。すでに人生100年時代を迎えていますが、この時代に大切なことは長く働くことだと思っています。理由は健康寿命を延ばすためには働くことがもっとも効果的だからです。事実、定年のない欧米には寝たきり高齢者がほとんどいません。

60歳以上の方のキャリアの実情

先日、尊敬するビジネスパーソンとお会いしたときに「60歳になって意欲の衰えを感じる」と言っていました。

彼は、外資系の人事トップを務めたり、海外でMBAを取得したり、意欲的にキャリアを築いてきた方でしたので、その言葉をきいて驚きました。意欲的に仕事や学びや遊びを深めてきた方でもそうなのだから、普通の50-60代の方々はもっと意欲が衰えているだろうと思います。
実際、私は中高年の再就職支援をしていて、50-60代のビジネスパーソンと話す機会が多いのですが、彼らと話していると、これまでに十分に仕事をしてきたので、今後は余生をゆっくりと過ごしたいという方が大半です。

私の父親もそんな感じですので、彼らの思いに共感しつつも、そのようなマインドでは再就職が難しいのも現実です。

このように60歳以降を余生と考えてしまう原因は、終身雇用とセットである定年制にあると思います。
これまでの日本人のキャリア設計は、新卒入社した会社において定年まで勤め上げることが前提であり、定年をキャリアのゴールとして設定します。このゴール設定が問題です。定年後は目指すべきゴールがないのでぼちぼち余生を過ごそうかという発想になってしまいます。

マラソンのゴールテープと切ったと思っても、人生100年時代において60歳は社会人人生のちょうど折り返し地点なのです。

人生100年時代のキャリアの築き方のポイント

人生100年時代のキャリアを築くポイントを3つご紹介します。

ゴール設定

1つ目は、先ほどもお話した「ゴール設定」です。

60歳ではなく100歳をゴールに設定しましょう。どこをゴールにするかでキャリア戦略が変わってきます。
例えば80年間もモーレツに働き続けようとしても途中で燃え尽きてしまいます。そうならないように、社会人大学院や長期旅行など寄り道する戦略も有効でしょう。
リンダ グラットン氏の「LIFE SHIFT」が参考になります。

能力開発

2つ目に、「能力開発」です。

時代を先取りして、将来必要になるであろう技術習得に取り組むことです。英語は一夜漬けで身につかないように、学習は長い時間をかけて繰り返し行うことがポイントです。
一過性のブームのような学習では本当の能力は習得できません。焦らず気長に取り組むことで能力を開発できます。
これは鈴木鎮一氏の「愛に生きる」が参考になります。

筋力トレーニング

3つ目に、「筋力トレーニング」です。

老後寝た切りになる一番の原因は、病気ではなく「筋力不足」です。
筋力不足が原因でケガをして、動けないので寝たきりになり、頭もぼけていくのです。
筋力トレーニングは若い頃から継続的に行うことが効果的です。能力開発と同様にたくさんやる必要はありません。少しずつ、でも、休まずに続けることが大事です。

まとめ

ここに紹介したことは人生100年時代を見据えたときに、急ぎではないが重要なことです。
一方で人生には急いで対応しなければいけないことも発生します。長距離走と短距離走をバランスよく組み合わせて生きていくことが重要ではないでしょうか。

ABOUT この記事を書いた人

記事プロフィール 佐藤 大介(株式会社エンディングキャリア 代表取締役)
私たちは「人材紹介」と「組織風土コンサルティング」を通じて、「豊かな仕事人生」をサポートしています。私は就職氷河期に直面し20年前は失業していました。働く場所がない辛さや悲しみを心底味わいました。その後、ご縁に恵まれて幸運にも人生を切り開くことができました。こんどは私がサポートする立場で、企業と求職者の双方の幸せにつながるご縁を提供できるよう誠実に務めてまいります。